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BCP(事業継続計画)策定の仕方と運用の手順

 2022/01/19 BCP
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BCP(事業継続計画)策定の仕方と運用の手順 – テンプレートに当てはめるだけで売れる仕組みができる

Contents

BCP策定・運用の手順について

以下にBCP策定・運用の大まかな流れを解説します。参考にしていただければ幸いです。

1.BCP策定宣言と事業継続方針の決定

2.重大災害とその被害の想定

3.自社の存続にかかわる重要業務の確認

4.重要業務の精査

5.事前対策の検討・実施

6.目標復旧時間の設定

7.緊急対応マニュアルの策定と共有

8.訓練・計画の見直し

1.BCP策定宣言と事業継続方針の決定

社長自らが自社でBCP策定に取り組むこと、策定の意義などを全社員に対して説明します。

BCP策定には全社員の協力が不可欠であり、社長自らが宣言することで、社員の理解を深めることが大切です。

宣言後は幹部社員と話し合いながら、BCPの根幹となる事業継続方針を定めます。

事業継続方針とは、緊急時に企業が取るべき行動の優先順位を示すものです。

企業の業種や理念などによって異なりますが、一般的には次のような事業継続方針が定められます。

<事業継続方針の例>

・従業員とその家族の安全を守る

・顧客への供給責任を果たす

・地域や顧客の復興を支援する

・業務を正常レベルに戻す

この例では緊急時の限られた経営資源について、まずは従業員とその家族の
安全のために使い、その次に顧客への供給責任の全うに取り組むということになります。

2.重大災害とその被害の想定

企業が直面する重大災害には、その地域全体で懸念される大地震、風水害、
感染症などの自然災害や、その企業単独で起こり得る火災や事故などがあります。

このうち地震や洪水などの被害予測については、国土交通省のウェブサイトから確認することができます。(下記に記述)

また、都道府県や市町村の防災担当部署では、より細かい単位でハザードマップを策定している場合があります。

まずは自社所在地について、どのような災害の可能性があり、どの程度の被害がありそうなのかを確認します。

さらに自社の周辺地域や重要な取引先の所在地の状況も確認します。

<参考URL>

国土交通省/ハザードマップ(※)ポータルサイト

※ ハザードマップとは自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもの

3.自社の存続にかかわる重要業務の確認

災害によって大きな被害を受けた場合、通常はベストの業務を行うことはできません。

そこで、優先して対応すべき重要業務を選定します。

まず業務を取引先別と製品別に整理します。

あるメーカーが甲、乙、丙社に対して自社製品A、B、Cを販売しているとすると、業務は以下のように①~⑨に分類されます。

たとえば、①は「甲社に対して製品Aを製造し、納品する業務」ということになります。

次にそれぞれの業務の自社経営への影響度を以下のような基準で一つひとつ
評価していきます。

各基準の評価をした後で、総合的な判定を行います。

※1 自社が製品を供給しないことで取引先が操業停止に陥るなど取引先に与える影響を評価

※2 建設業におけるインフラ普及業務、小売店における食料販売業務などは社会的要請が高い

これにより①~⑨の業務の優先度を評価し、その結果を分析表に記入します。

ここでは以下のような結果になったとします。

表中の高、中、低は前述の評価結果一覧の総合判定結果を示したものです。

この評価結果では①「甲社に対して製品Aを製造し、納品する業務」、②「甲杜に対して製品Bを製造し、納品する業務」、⑦「丙社に対して製品Aを製造し、納
品する業務」の重要度が高くなっています。

したがってこのメーカーにとっての重要業務は①②⑦となり、災害時にはこの3つの業務に経営資源を優先的に投入することになります。

特に甲社向けの業務が2つあるため、納品のためのトラックなど物流の割り当
ては甲杜を優先する必要があります。

4.重要業務の精査

特定した重要業務のフローを分析し、業務遂行に必要な要素を整理します。

たとえば、前述の(D「甲社に対して製品Aを製造し、納品する業務」について
は、以下のような要素が必要です。

<業務①遂行ために必要な要素>

・原材料

・工場設備

・作業者、管理者

・電力などのインフラ

・情報システム

・納品のための物流

地震などによってそれぞれの要素がどの程度のダメージを受ける可能性があるのかを検討します。

特に工場設備の損壊など、復旧に時間がかかりそうな要素については漏れなくチェックします。

5.事前対策の検討・実施

重要業務の要素への被害を最小限にするための対策を検討し、実施します。

対策のなかには工場躯体の耐震性強化など一定の時間と費用のかかるものも
ありますが、転倒防止器具の取り付けや重要情報のバックアップ、防災用備蓄品の設置など比較的簡単にできるものもあります。

できることはすぐにでも実施することが大切です。

また、長期的に進める対策については、資金面の手当ても含めて、いつまでに完了させるかの計画を定めます。

6.目標復旧時間の設定

災害によって停止してしまった業務について、どの程度の期間で通常レベルに再開するかについて目標時間を設定します。

大震災によって工場のすべての生産ラインが停止してしまった場合などは、重要業務にかかわるラインを優先して回復していきます。

前述の例では重要業務のひとつに①②⑦があげられていましたので、まずはこれらの業務回復に努めます。

その際には自社の目標復旧時間について、取引先から合意を得ておくことが大切です。

たとえば、

①「甲社に対して製品Aを製造し、納品する業務」については、あらかじめ甲社と話し合って「災害から2週間で50%、lカ月後に100%」などの条件を決めておきます。

7.緊急対応マニュアルの策定と共有

実際に被災した際にはパニックに陥り、どのように対応すればよいかわからず、初動が遅れることもあります。

そこで、災害発生時に「誰が何をするか」という行動レベルのマニュアルを策定し、全社員がその内容を共有しておく必要があります。

マニュアルのポイントとしては以下のようなものがあげられます。

<緊急対応マニュアルのポイント>

・BCP発動基準と方法

・情報拠点の確保(本社や営業所が使えない場合は、社長宅など)

・指示・命令系統の確立(社長が執行不能の場合はA専務、A専務も執行
不能の場合はB部長など)

・従業員の安否確認(連絡先リスト、連絡手順など)

・取引先の状況把握と支援要請の有無の確認

・自社施設(本社、営業所、工場など)の被害状況把握(特に重要業務に
関連する施設・設備)

・自社施設が原因で起こる二次災害予防

・自社周辺地域住民・施設・インフラ等の被災状況把握

・帰宅困難者への対応

・重要業務遂行状況の把握(誰がどのように把握するか)

・重要業務復旧のための初動

・財務面に与える影響把握、公的な緊急融資制度等の利用検討

8.訓練・計画の見直し

上記の緊急対応マニュアルを確実に実践するためには、日頃から訓練を積ん
でおくことが不可欠です。

災害の想定を毎回変更するなどして、臨機応変な行動力を高めていくことが大切です。

また、社内外の経営環境の変化によって、BCP策定時に定めた当初の「重要業務」が変わることもあります。

そのため、状況変化に応じてBCPを更新していくことが必要です。

今回は特に新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」の適用がされました、会社、組織の中でBCPの見直しをされると良いでしょう。

                        

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イッセイ村山

イッセイ村山

私はこれまで、通信会社で3年ごとに、営業、建設、設計、研究・開発、顧客相談室、教育研修企画などを経験してきました。この経験をあなたのビジネスの中でお役に立てればと思い発信しています。

そのほか、ITコーディネーター(経産省認定)としてビジネスの支援活動や、商工会議所のHP構築セミナー講師を5年ほど実施してきました。
特にネット販売の仕組みの構築では、特にコンセプト及び、コンテンツを大事にするようお伝えしてきました。

また、ISOのセミナー、審査、コンサルもやっていることから、PDCAの考え方はビジネスの基本として取組むことが非常に大切であると考えます。自分の仕事にも役立てています。

どんなビジネスでも仕組みを作り運用することは外せないですね。

今を生き、豊かな生活を送るために、ビジネス及び家族におけるパーソナルコミュニケーションの実践心理学を行っています。

コロナ禍においては在宅勤務が当たり前の時代になりつつあります。孤立したり、自宅内の「家族とのコミュニケーション」、「自宅内におけるビジネスコミュニケーション時のセキュリティ・リスク」など、ますますコミュニケーション力の発揮が求められる時代となってきました。

人と人とのパーソナルコミュニケーションは人が生活して行く上でベースとなる道具です。
人間関係でつまずいたりうまくいかないことの殆どは、自分を知り相手を知ってその違いを理解すれば解決できます。

ですから、人の心理を紐解いてあげると解決できると考えています。
知・情・意と楽観派・慎重派の考えに基づく実践的心理学メソッドは非常に有効です。

皆さんに、このメソッドを理解し、日常の生活とビジネスで使われるようになることを私の役割と思っています。このメソッドとの出会いに感謝し、私の仕事として普及に努めていきたいと考えております。(JPCA組織診断士)

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